そういえば、私がニューヨークにたどり着くまで、
いろいろと寄り道して来た事書いたりしましたが、
肝心なニューヨークのことを書いてないなと気がついたので、
ニューヨークに来る事になったいきさつなど、思い出しながら書いてみようかな。
私、もともと、
ニューヨークに住む事にそんなに興味がなかったんです。
そんな事言っておきながら、もう5年も住んでるんですけどね。
ニューヨークに住みたい人にとっては、とっても意外な発言のようです。
もちろん、今はニューヨーク大好き
この街のいいところ、嫌なところ、両方見て、
初めて本当に好きなれたなあと思います。
ニューヨークに関心のなかった私が、ニューヨーク遊びに行こうかなと思ったのは、
ペンシルバニアの大学に留学中の頃→(
わたしのこと〜ペンシルバニア編)
長距離バスで4時間で行ける、一番近い都会がニューヨークだったんです。
それ以前、東京に暮らしていた私にとって、ウォール★マートしか娯楽のない日常は、
かなりつまんなかったんですよ。あっ、もちろん勉強に専念出来ると言う利点はあったけど...。
ちょうどそのころ、東京時代の元ルームメイト(米人男性)がニューヨークで働いてて、
公休日などがあって、3連休、4連休になると、グレイハウンドっていう長距離バスで、
ペンシルバニアからマンハッタンまで、遊びにいって、彼んちに泊めてもらいました。
(誤解されちゃうかもしれないけど、元ルームメイトって、単なるルームメイトで元カレじゃないんですよ。)
この、グレイハウンドって、かなりお安いんです。
往復で60ドルくらい。所要時間は片道4時間くらいだから、
アムトラックって言う電車の料金と比べると、大体半額です。
でも、長距離バスで4時間(渋滞なし)で、近いって思う感覚ってかなりアメリカン。
でも、住んでると本当にそういう感覚になるんです。不思議ですね。
さて、何度か都会の空気を吸いにニューヨークへ遊びにいってるうちに、
ここなら
住むのが楽そうだなと言う事に気がつきました。
人種の坩堝だし、それぞれの人種ごとにコミュニティーがある程度確立してて、
情報もいっぱいなんです。
たとえば、日本食スーパーがあって、日本の本屋があって(古本屋まであります)、日本語の新聞ももちろんあるし、日本語のフリーペーパー(無料配布のコミュニティー紙)まであります。テレビをつければ、日本のニュースや娯楽番組をやってるチャンネルもあります。だから、ニューヨークに住んで、日本と同じような生活をするのは可能なわけです。
「そんなの、外国に住んでる意味ないじゃん」とお叱りの声が聞こえそうですが、
やっぱり、海外ではなかなか手に入らない、日本のお米や、のり、納豆、お豆腐なんかが
いつでも気軽に買えるって言うのは、
かなり魅力的
しかも、日本のおばかなバラエティー番組で、思いっきり笑ったりして、サイコー
大学を卒業前にして、日本で就職するか、アメリカに残るか。
アメリカにとどまるとすれば、カリフォルニアへ行くか、ニューヨークにするか。
いろいろと迷ったんですけど、結局、ニューヨークになりました。
まあ、理由は割とシンプルです。日本へはいつでも帰れるので、
とりあえずアメリカで働いてみよう。そして、一般的な日本人留学生の
就職口が多いのはニューヨークだったということ。
予想的中で、割とすんなりニューヨークでの就職が決まりました。
でもやっぱり、改めて考えてみると、いろいろな偶然や、周りの人の協力で
今の私があるんだなと思います。いろいろな人々に感謝です。
さて、肝心のニューヨークライフ。最初はなかなか大変でした。
だって、ニューヨークへ来たのは、2001年10月10日だったからです。
あの、9月11日のワールドトレードセンターの
テロ事件からわずか1ヶ月後。
住んでたアパートが、グランドゼロから、徒歩5分と言う場所で、
日本から着いた夜は、
「しまった。偉いところに来ちゃったかなあ」と後悔するほど、
怖かった記憶があります。タクシーに乗ってたのですが、なんども
警察の検問で止められるし、ブロードウェイの路面からは、意味不明の
湯気があがってるし。なんだか、現実を目の前に突きつけられた感じでした。
その後、始まった仕事も、かなり忙しくてもう毎日ヘトヘト。
ニューヨークに住んでると言うよりは、オフィスに住んでると言う感じの生活でした。
今まで、そんな生活はしたことがなかったので、結構、ストレスでした。
「世間ってそんなもんだよ」って声が聞こえてきそうですね。もちろん、
「みんな大変なのに頑張ってるんだなあ」と敬服する気持ちはあるのですが、
人の一生なんて、短いものなのに、こんな生き方をしてていいのだろうか
と言う疑問なんかも出てきました。だって私の人生のゴールは
『幸せに生きていく事』なんです。
しかも、東京でも外資系の会社に勤めていたので、
外国人と働く事に抵抗は持っていなかったのに、そんな自信は役に立たない
と言う事に気づかされました。ニューヨークで待っていたのは、
とても
不思議な日本社会でした。
いろんな意味で、カルチャーショックだったなあ。
長くなっちゃったので、お話は次回に続きます。