クラッシュ(Crash)

茶々

2006年01月24日 13:29

『Gotham Award』で紹介したマット ディロンとドン チードルの2人が共演する、
『クラッシュ(Crash)』を見ました。2004年12月末公開なので、もうDVDが出てます。



日本での公開はシャンテ シネ 新宿武蔵野館にて、2月11日の予定です。
オフィシャルサイトはこちら→『クラッシュ(Crash)』
これから見る方のために話の内容が分からない程度にご紹介しますね。
この映画の公開は2004年の12月末だったんですが、前回のアカデミー賞の
選考対象じゃなかったので、今回、第78回の選考対象に入っています。
有力候補のほとんどが最近の公開なので、アカデミー賞レース的には
時間が経ちすぎてちょっと不利な立場かと思われます。でも、いい映画ですよ。

私的にはとっても感動

テーマは人種問題。映画の舞台は、人種の坩堝、ロス・アンジェルス(LA)です。
白人、黒人、中東系、ラテン系、中国人、などの異人種の人々が、いろいろなところで
関わり合いを持ちながら生活してるんです。毎日の暮らしの中で、人種差別したり、
逆差別されたりと、両方の視点から物語は進んでいきます。

アメリカって、移民の寄り集まりで出来た国だし、特にLAは、
白人が50%以下なので、マジョリティーな人種のいない地域でもあります。
だから、人種問題って誰にでもある身近な問題です。
やはり、話す言葉や文化や見かけが違うと、どうしても先入観を持ってしまうもの。

私が通ってたペンシルバニア州の大学はリベラル思考が強く、人種差別教育に
とても力を入れてました。田舎だったので、かなり白人社会。白人の学生達は、
彼らなりに気を使って、白人以外の同級生に対して文句を言い合う時など、
「私は人種差別主義者じゃないけど・・・(I am not a racist, but・・・)」
いちいち前置きを忘れませんでした。それが彼女達の免罪符だったんでしょうね。
ある特定の個人を指してるだけなのに、そこまで気を使わないといけないんです。

映画の中で特に印象的だったのは、サンドラ ブロック扮する地方検事の妻(白人)が、
「黒人が近づいてきたからといって行って、逃げ出したら人種差別だと言われ、
逃げ出さなかったら、頭に銃を突きつけられるのよ。」という言葉。映画の中では、
大した意味を秘めた言葉ではないのですが、私にはこれが白人達の本音の様な気がします。
また、黒人少年の徹底的な白人嫌いも、いわゆる逆差別ですよね。
こう言う感覚って、私はアメリカに住む様になって初めて分かりました。

物語はさらに、複雑に絡み合って、一言で説明できないんですけど、
誰か一人が良い人で、他は悪いというような話でもなく、それぞれの善と悪の部分が
うまく描き出されていて、結局は、どの人種もみんな同じと思ったりもします。
マット ディロンの演技は光ってました。そういえば、ゴッサム賞(Gotham Award)を
スタッフとしてお手伝いした時、トリビュートのプレゼンテーターだったドン チードルが
マット ディロンのことを「My friend」と呼んでいましたけど、この映画で
共演してたんですね。12月1日の記事をご覧下さい。→速報 『Gotham Award』
ちなみに、2004年のゴッサム賞のアクター賞はドン チードルだったんです。
今、旬な2人が共演してる映画って、豪華でしょ。
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